
- 展覧会名
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Writing Unbound
フランスのストリートアートと出版物
Books on Aerosol Wiring and Street Art in France
Directed by LGSA by EIOS
- 会期
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2024年12月21日(土)–2025年2月9日(日) 12:00-19:00
- 会場
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アニエスベー ギャラリー ブティック
東京都港区南⻘山 5-7-25 ラ・フルール南⻘山2F
- 休廊日
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月曜日(1月13日を除く)、2024年12月28日(土)2025年1月6日(月)
- デザイン
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須山悠里
- 会場設営
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LIFE LIVE
展覧会ステートメント
ストリートは都市を中心とした屋外の路上空間を指し、そこで自由闊達に育まれたストリートの文化は、屋内のさまざまな制度空間(美術館、ギャラリー、大学、アカデミズム、行政、ショッピングモールなど)で育まれた文化とは異なる価値をもつと考えられてきた。しかし都市がすみずみまで監視され、生活のあらゆる細部が資本の論理に浸っている現代社会において、物理的な屋内・屋外の空間と、制度の内部・外部の空間をイコールで捉えることは、ますます困難になっている。ある空間の外部に出ることは、別の空間の内部に入ることにすぎない。あらゆる制度から逃れた、無垢な外部の空間はいまや成立しないと認識するべきだろう。誕生から半世紀を経て、すでに歴史のある巨大な産業となったストリートの文化も例外ではない。しかし空間の外部に出られなくても、さまざまな空間を横断し、その運動を活性化することで、空間のボーダーを揺さぶることはできる。またはボーダーを引き直すことができる。制度そのものを撤廃できなくても、制度をかたちづくる線をあらたに組み直すことはできる。そこに現代的なストリートの可能性があると私たちは考えている。
本展ではLGSAとアニエスベーが協働し、LGSAの収集資料から、パリを中心にフランスの路上/ストリートの表現をテーマにした20 世紀後半から現在までの書籍を紹介するとともに、それぞれの内容から派生した小展示をギャラリー内の各所に展開する。書籍やギャラリーは、言語や商業の空間であり、制度性を帯びやすいと考えられる。その意味で、ストリートアートをあつかう書籍をギャラリーで展示することは、路上の空気を制度のうちに閉じ込めているかもしれない ―。本展の狙いは、そうした固定観念をほぐすことにある。製本された書籍が解かれ、綴じられたページがめくられると、路上の空気はふたたび外部に放たれる。外を内に閉じ(綴じ)、内をふたたび外に開く(解く)こと。Bound とUnboundの往復運動により、路上のライティングと活字のライティングは交差し、ストリートの概念をあらたな意味の連関のもとに綴り直す。その持続がえがく軌跡には、外部なき現代における批評の手がかりがあるだろう。


